げんせん投信公式Facebook

基準価額 基準価額

“理想のeラーニング”をなぜ開発したのか?
低学力層をフォローする「すららネット」

企業訪問
  • line
マーケティング担当 磯井理紗

ファンドマネージャーやアナリストは、日々企業の経営陣を訪問して取材を重ねています。
今回は、運用担当の伊藤が「すららネット」を取材した様子を、マーケティング担当の磯井がレポートします。

「すららネット」

インターネットを通じてゲーム感覚で学ぶことができる対話型のデジタル教材“すらら”を学習塾や学校、個人向けに提供しています。また、“すらら”を活用した学習塾・学校向けのコンサルティングなどを行っています。

神田駅近くのすららネット本社で、代表取締役の湯野川社長にお話をうかがいました。

湯野川社長はこの会社を立ち上げるまで、フランチャイズ事業の開発や経営支援を行う会社で、新規事業の開発をされていたんですよね。

湯野川社長「はい、そこで2004年に個別指導塾の事業に携わったのが、当社を起業するきっかけとなりました。
最初は東京の下町で個別指導塾の経営を行いました。事業としては概ね上手くいっていたのですが、子どもたちの成績を引き上げられたかというと、十分に満足いくものではありませんでした。その背景としては、教師の指導レベルが安定していなかったという点があげられます。通常、個別指導塾は多くの学生やアルバイトを教師として雇っています。もちろん彼らの育成指導に力を入れていましたが、各人の働く頻度が違うので均一な指導が出来ませんし、そこに時間をかけすぎても採算が取れなくなってしまいます。また、折角人材を育てても学生やアルバイトはいつか辞めてしまいます。そこで、理想のeラーニングを開発すれば指導レベルが安定すると考え、2年間かけて開発しました。」

写真

湯野川社長

湯野川社長「当時、eラーニングは効果がないと世間から言われていました。そこで、効果を実証するために、開発したeラーニング“すらら”のみで教える塾を開設しました。これが評判になった。それこそ、学校の成績が伸びず勉強が苦手な子ども達が、“すらら”を使ったことで『生まれて初めて勉強が楽しいと感じた』と言ってくれて、実際に成績がどんどん伸びていく状況でした。しかし、“すらら”は上手くいくと確信し始めた矢先、会社の業績が傾いてきたんです。eラーニング事業への予算はどんどん減り、しまいにはシステム投資の予算はゼロになりました。このままでは、“すらら”そのものが終わってしまうと考えた私は、この事業を守るために2010年に会社を独立しました。」

伊藤「会社を独立するのはとても大変だったと思います。当時の“すらら”への想いは相当強いものだったんですね。」

湯野川社長「“すらら”を持って会社を出る了解を得るのも、独立後に資金調達をするのも大変でした。でも、“すらら”という教育サービスを世の中へ提供することの意義や価値には強い確信があり、さらには今まで一緒に事業を進めてきたチームも素晴らしいものでした。これらを無に出来ないという強い想いがありました。」

当時“すらら”の事業に関わっていた30名の従業員のうち、湯野川社長と共に独立を決意した従業員は12名もいらっしゃったそうです。湯野川社長は「苦楽を共にした戦友です」とも仰っていました。

「“すらら”と他の教育システムの決定的な違いは何でしょうか?湯野川社長が“すらら”なら上手くいくと感じた点を教えてください。

写真

左:運用担当・伊藤 右:湯野川社長

湯野川社長「世の中の教育ビジネスは、一部に裕福な家庭の学力の高い子どもたちにアプローチし、より賢い子を育て良い学校にいれることを目的としているところもあるように感じます。確かにこれは単価が高く儲かりますが、その分大手塾同士の競争は激しいと言えます。その一方で、なかなか成績が上がらない低学力層の子どもをフォローする仕組みは世の中に少ないと考えます。当社は、各人の学習速度に合わせて学ぶことができるeラーニングを利用することで、個別指導が求められている低学力層のマーケットにアプローチすることができたことが大きな違いです。」

湯野川社長「また、教育を提供する事業者が多様化している今、“すらら”であれば様々な事業者と手を組んで学習の場を提供できるのも強みです。塾はそもそもある程度の人口がいないと成り立たないですが、これからの人口減少時代、特に地方では塾の経営が難しくなっていくでしょう。“すらら”なら、子ども達が集まれる場所さえあれば塾の機能を果たせるので、子ども達の教育機会を失うことなく活性化することができます。」

“すらら”が活用される機会がいかに多いかが良くわかりました。

伊藤は、製品・サービスに対する顧客からの支持である「顧客資産」についても質問します。

お客さまがクチコミで増えることはありますか?

湯野川社長「すでに“すらら”を採用いただいている塾や小学校で評判になり、別の塾や小学校をご紹介いただくことも多いです。」

伊藤「様々なお客さまに“すらら”の良さが理解されていることは素晴らしいですね。」

湯野川社長「ただ、塾を独立開業されている場合、いくら“すらら”の理念に共感していただいていても、生徒が集まらなくて“すらら”を取り入れられないこともあります。ですので、私たちは商品の提供だけでなく、塾の経営が成り立つよう、チラシの雛形をフリーで提供したり、教師の育成勉強会をしたりして、経営面のサポートも行っています。
現在塾は変革期を迎えており、昔やっていたやり方が通用しにくくなっています。大手塾でも、HPの更新やマーケティングが不十分な場合もあります。“すらら”という商品の提供だけではなく、コンサルタントのような立場でアドバイスを求められる機会も増えています。」

伊藤「新規事業開発やコンサルタント業務の経験がある湯野川社長だからこそ、そういった場面で的確な助言ができ、顧客との信頼関係を構築できているんですね。」

既存のeラーニングの改良に加え、海外向けeラーニングの開発・展開や、教育機関の経営に関するコンサルティング業務など、教育に関して多角的に事業を展開する当社の取組みがよくわかりました。訪問を終えた伊藤は、「事業に対する湯野川社長の熱い想いがしっかりと伝わってきた」と言っていました。

写真

左:湯野川社長 右:運用担当・伊藤

※上記は、当社が調査対象とする企業の一つをご紹介するものです。特定の銘柄を推奨するものではなく、また当該銘柄の組入れを保証するものではありません。写真はすららネットより許諾を得たうえで掲載しています。

つぶやきのカテゴリを見る