オリエンタルランド
銘柄コード 4661
業種 サービス業
オリエンタルランドは東京ディズニーランド、東京ディズニーシー等を運営する国内最大のレジャー関連企業です。
東京ディズニーランドが開園したのは1983年4月のことですが、会社としてはその20年以上も前の1960年に設立されました。当社を設立した京成電鉄と三井不動産によって当時まとめられた「オリエンタルランド設立計画趣意書」には、「浦安沖の海面を埋め立て、一大レジャーランドの建設を行い、国民の文化・厚生・福祉に寄与する」ことが会社創設の目的として謳われており、当初から壮大な構想をもっていたことがわかります。
当社が設立された当初は、「ディズニーランド」を誘致するというプランは存在せず、「すばらしい人間とその世界」をメインテーマとしたオリジナルのテーマパークの建設が計画されていました。しかし、1970年に浦安地区の埋め立てという大事業が終わり、レジャー施設について調査を進めるなかで、「自分たちが具現化すべき構想の核となる施設はディズニーランドにおいてほかない」という結論に達し、米国のディズニー社に対する誘致活動に注力し始めます。
そして1974年にディズニー首脳の来日を実現させ、更に5年をかけて粘り強く交渉を続けた結果、1979年に基本契約の調印に至りました。私は米国株のアナリストをしていた頃に、ディズニー社を何度か取材をしたことがありますが、ウォルト・ディズニー氏より受け継いだ確固たる企業理念を持つ、妥協を許さない会社であるとの印象を受けました。このようなディズニー社に、当時電車も道路もなかった浦安の埋立地をディズニーランドの建設先として選んでもらうには、当社側の相当な熱意と情熱がなければ実現しなかったことだと思います。
その後も、巨額な建設資金の手当てや、従業員の募集・育成など、山積した課題を一つ一つ乗り越えながら、東京ディズニーランドの開園に向けて進んでいきました。私は、当時この大プロジェクトの陣頭指揮を取っていた髙橋社長が、開園の1年半前に全従業員に述べたというメッセージに、とても重要な情報が込められていると考えているため、以下に紹介させていただきます。
「私たちのやろうとしていることは、いわばサービス業です。この商売で一番大切なことは大衆の利益に合致すること、お客様に喜んでいただくことです。この気持ちがなければこの商売は決して成り立ちません。また、お金や施設さえあればできるというものでもありません。そのなかに魂が入っていなければダメです。人を動かすものは誠意であり、学識や弁舌ではありません。」
当ファンドでは、成長し続ける企業の中心には、組織資産(企業理念、情熱、ビジョン等)という「目に見えない資産」があると考えています。組織資産がなくとも、優れたモノやサービス、ビジネスモデル等があれば、一時的に成功を収めることはできるかもしれません。しかし、組織資産がなければ、優秀な人材の育成や会社を応援し続けてくれる顧客の獲得ができず、中長期的に大きく成長し続けることは難しいと考えています。
今日、当社はテーマパークの完成度の高さや、ホスピタリティー溢れるサービスレベルが業界のお手本となるような存在ですが、東京ディズニーランドが開園する前から経営トップがこのような視点で組織をマネジメントしていたという事実は、当ファンドにとって重要な情報であるといえます。当社のこれまでの成長は組織資産を軸とした成長であることが確認できるのと同時に、今後も成長が続く可能性が高いと考えられるためです。
東京ディズニーランドが30周年を迎えた2013年に、上西現社長に取材させて頂く機会がありました。私は上西社長が上述のような組織資産をマネジメントすることをどのように考えていらっしゃるのかを知るために、様々な質問を投げかけました。上西社長は「組織資産のマネジメントは私にとって最も重要な仕事です」と述べられ、ご自身が役目を果たせているかどうか、日々自問自答していることを教えて下さいました。
その日のミーティングで印象的だったのは、上西社長が感慨深そうに以下のように話されたことでした。
「私が1980年に入社した時、ここは雑草しか生えていないただの荒地でした。それが今では毎日お客様の笑顔で溢れるような場所になっていることを思うと、何と言うか、まるで夢のようなことだと思っています。」
上西社長の言葉には、受け継いだものの重さに対する責任感と、それを次世代へ伝える使命感に溢れているように感じられました。
当社は再び大きな設備投資を行い、夢の国の拡大を計画しています。物的資産などの「目に見える資産」を拡大させるなかで、当ファンドでは「目に見えない資産」も維持・拡大できているかどうか、対話を通じて確認しながら、成長を応援させていただきたいと思っています。

※上記はオリエンタルランドのロゴマークです。オリエンタルランドより許諾を得たうえで掲載しています。
- 株価・営業利益の推移
出所:ブルームバーグのデータをもとにニッセイアセットマネジメント作成
データ期間 株価(折れ線グラフ):2013年3月末~2018年4月末(月次)
営業利益(棒グラフ):2013年度~2017年度(年次)
※上記は、2018年4月末時点の組入銘柄の一つをご紹介するものです。
特定の銘柄を推奨するものではなく、また今後の当該銘柄の組入れを保証するものではありません。
基準日:2018年4月末
銘柄紹介アーカイブ
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2017年 8月
東映アニメーション
銘柄コード: 4816
業種: 情報・通信
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2017年 9月
ビジョン
銘柄コード: 9416
業種: 情報・通信
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2017年 10月
信越化学工業
銘柄コード: 4063
業種: 化学
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2017年 11月
サイバーエージェント
銘柄コード: 4751
業種: サービス業
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2017年 12月
ヤクルト
銘柄コード: 2267
業種: 食料品
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2018年 1月
ゼンリン
銘柄コード: 9474
業種: 情報・通信
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2018年 2月
任天堂
銘柄コード: 7974
業種: その他製品
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2018年 3月
リログループ
銘柄コード: 8876
業種: サービス業
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2018年 4月
オリエンタルランド
銘柄コード: 4661
業種: サービス業
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2018年 5月
ドンキホーテホールディングス
銘柄コード: 7532
業種: 小売業
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2018年 6月
エン・ジャパン
銘柄コード: 4849
業種: サービス業
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2018年 7月
エフピコ
銘柄コード: 7947
業種: 化学
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