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ヤクルト

銘柄コード 2267 

業種 食料品

ヤクルト本社は1955年設立の食品製造会社です。

実際の当社の歴史は、その数十年前に遡ります。1920年代、京都大学の代田博士は感染症で命を落とす人々を救いたいという強い思いから「予防医学」を志し、やがて微生物の研究に没頭します。

そして1930年、乳酸菌が腸内の悪い菌を抑えることを発見し、これをさらに強化培養することに世界で初めて成功しました。これが学術名「ラクトバチルス カゼイ シロタ株」であり、乳酸菌飲料「ヤクルト」が誕生した瞬間でもありました。
(ヤクルトは世界共通の言語として開発されたエスペラント語でヨーグルトという意味)

当初は代田博士の理念に共感した人々によって、全国各地にヤクルト販売会社が設立されましたが、戦後になって全体の取りまとめ役として「ヤクルト本社」が設立されました。こうした背景から、現在でも国内では地域ごとに独立した販売会社が存在しています。

販売手法にもユニークな特徴があります。皆さまもご存知かと思いますが「ヤクルト」の販売の大部分はヤクルトレディ(YLさん)が担っています。当社の創業の理念を守るため、消費者に直接ヤクルトを届けることに強いこだわりを持っています。

1964年には、初の海外拠点として台湾へ進出します。その後、次々と新しい国を開拓していき、現在ではアフリカを除くすべての大陸へ進出しています。やはり海外においても現地でヤクルトレディを養成し、直接販売を主軸に事業を展開しています。

世界的に見ても、当社のように実質的に単一製品をグローバルに展開し、かつ直接販売をしている食品企業というのはユニークな存在です。このようなことを成せる背景には、当社が代田博士の想い(代田イズム)を企業理念とし、すべての活動の原点にしているからであると思います。

当ファンドは、成長し続ける企業の中心には力強い「組織資産(企業理念・文化)」があり、それに共感する「人的資産(従業員・サプライヤー)」がイキイキと仕事をすることで、企業活動に共感し、応援してくれる「顧客資産(ロイヤルカスタマー)」が構築されると考えています。

当然ながら、企業調査をする目的はその企業が「どのような利益(キャッシュフロー)を今後生み出すかどうか」にあります。当ファンドでは、将来の利益を予想する際に、ビジネスモデルや競争環境や財務諸表などのみの分析では不十分であると思っています。

例えば、利益をもたらしてくれるのは顧客であり、顧客が本当に満足してニコニコしている状態がなければビジネスは永続しません。顧客のニコニコを生み出すものは、従業員やサプライヤーのような人的資産であり、彼らがイキイキと働ける環境が整っていなくてはなりません。

人的資産がイキイキするためには、組織が使命感や情熱をもって社会に存続していることが必要です。人は自分以外の誰かに感謝してもらえる仕事があるからこそ、健全な精神を保ちながら成長する力を得られます。組織そのものに情熱がなければ、こうした「見えない資産」のサイクルはそもそも生まれません。

当社はこうした観点から見ると、その教科書のような存在と言えます。創業者の熱い情熱からはじまり、それを継承し、共感してくれる人々が増えていくことで、顧客満足を獲得し、キャッシュフローが生まれる。代田イズムは、まさに企業価値の源泉(げんせん)であると考えています。

2019年3月期第三四半期発表後の取材では、成長率が短期的に鈍化している中国の状況についてディスカッションさせて頂きました。中国は成長ドライバーの一つですが、当社の強みである直販ルートが構築できないという制約があるため、他国とは異なるマーケティング戦略が必要であり、業績のブレも出やすい地域となっています。

当日の取材でとても印象的であったのは、先方が中国のヤクルトの販売本数に季節性が出てしまっていることに課題意識をもっていることでした。「ヤクルトは毎日飲んで頂くものなので、販売に季節性が出てしまっているということは、当社の理念がお客様に伝えきれていないということ」と残念がっていました。

私にとっては今後の中国におけるマーケティング戦略よりも、このような発言が聞けたことの方が大きな収穫となりました。戦略や戦術は成功することもあれば、失敗することもあるかと思います。それよりも大切なことは、先方の残念がっている言葉のなかに、「見えない資産」の存在をしっかりと確認できたことにあります。

ヤクルトの世界販売本数は、一日に3,952万本(2018年3月現在)に達しているそうです。もちろん私、伊藤も毎日ヤクルトレディがオフィスにやって来られるのを楽しみにしています。「はがき一枚の値段で、世界の人々の健康を守りたい」という代田博士の想いが、今日も世界各地で広がっています。

ヤクルト本社の製品例

インドネシアのヤクルトレディ

※写真はヤクルト本社より許諾を得たうえで掲載しています。

株価・営業利益の推移

出所:ブルームバーグのデータをもとにニッセイアセットマネジメント作成
データ期間 株価(折れ線グラフ):2013年3月末~2019年3月末(月次)
営業利益(棒グラフ):2013年度~2017年度(年次)

※上記は、2019年3月末時点の組入銘柄の一つをご紹介するものです。
特定の銘柄を推奨するものではなく、また今後の当該銘柄の組入れを保証するものではありません。

基準日:2019年3月末

ご投資にあたっての留意点

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