げんせん投信で
美しいハーモニーを奏でる

「げんせん投信」の主担当ファンドマネージャーである伊藤琢は、
音楽家を志し音楽留学をした後に、ファンドマネージャーになった異色の経歴の持ち主です。
なぜ音楽の世界から投資の世界へと転身したのか。
また、音楽とファンド運用に共通点はあるのか――
インタビューを通じてこれまでの経歴とファンドへの想いなどをご紹介します。

マイルストーン
高校2年 音楽との出会い 大学卒業 そして、音楽留学 一時帰国 運用業界へ! 進むべき道 を考える... 投資の世界 の表現者へ 伊藤琢発案のげんせん投信の『ぞう』のコンセプト
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ファンド
マネジメントは
オーケストラの演奏と同じです。

音色も音階も異なるさまざまな楽器が集まり全体としてハーモニーを奏でるように、
全く異なる特性を持ちバラバラな動きをする銘柄たちが全体として調和する――
まさに指揮者のように、組入銘柄を調整して美しいハーモニーを奏でるのが、
ファンドマネージャーである私の仕事だと考えて
います。

01

この頃は、本気で音楽家を目指していたので、
普通の企業に就職することは考えていませんでした。

音楽との出会い

音楽との出会いは、高校2年の頃。それまでの私は、「自分が本当にやりたいことは何か」を人一倍探し求めながらも見つけられずにいました。それがある日遊びに行った友達の家で、部屋の片隅にあったエレキギターを掻き鳴らしたことをきっかけに、音楽に興味を持つようになりました。友達が受験勉強へとシフトする中、早々に大学への推薦入学を選んで受験勉強を終わらせ、あとは暇さえあればギターを弾いていました。学校の授業中もほとんど音楽理論の本を貪り読んで過ごしていました。音楽の扉を一つ一つ開けていくようなあの時のワクワク感を、今でもよく覚えています。
大学に進学してからも生活は完全に音楽中心でした。学外の音大の友達とバンドを組み、オリジナルの曲を持ち寄ってライブ活動をし、その合間に何とか単位だけは取得しようと大学に通う生活です。この頃は、本気で音楽家を目指していたので、普通の企業に就職することは考えていませんでした。

02

「行ったほうがいい。自分が願うなら、何がなんでもそうすべきだ」と、
強く背中を押してくれました。

バークリー音楽院への道

大学卒業後は、バークリー音楽院に進むと決めていました。
就職せずに音楽留学することに、迷いを感じたこともありました。どちらかというと、大切なことはあまり人に相談せずに決めるタイプなのですが、音楽留学に関しては、唯一相談した人がいました。当時、私の大学で「金融特殊講義」という科目の社会人講師をしていらした方です。単位取得目当てで履修した科目でしたが、予想に反して、興味深い話が多く、授業のたびにぐいぐい引き込まれる感じがしました。話がとても魅力的で、私のような学生にも「こんなすごい大人がいるんだ」と思わせてくれた方でした。この方であればきっと良いアドバイスをくれるだろうと考え、思い切って相談しました。すると、一介の学生である私をわざわざオフィスに呼んでくださり、「行ったほうがいい。自分が願うなら、何がなんでもそうすべきだ」と、強く背中を押してくれました。一切の迷いが吹き飛び、卒業式を待たずにボストンへ出発しました(注:ちゃんと卒業はしました(笑))。
バークリー音楽院での勉強は大変でしたが、充実した日々を過ごしました。作曲科の専攻だったので、翌日までに3曲書かなければならないということもありました。学校の帰り道で1曲、家に着いて1曲、ご飯を食べて1曲ぐらいのペースで、それこそ全身の毛穴から音符が出てきそうなぐらい曲を書きました。

03

気がつけば、いつの間にか投資の世界に引き込まれていました。
アナリストとして働くようになったのは自然な流れでした。

学費づくりの一時帰国の

留学期間中に学費が底をついてきたため、日本でアルバイトをして学費を稼ごうと休学し、一時帰国したのですが、これが運用業界に足を踏み入れるきっかけとなりました。偶然にも、渡米時に背中を押してくれた例の恩師が、独立して運用会社を起こすということを知ったからです。
以前から尊敬していた方なので「この人と一緒に働いてみたい」と思い、「何でもしますから働かせてください!」とお願いしました。それでアルバイトとして雇ってもらうことになりました。その会社ではお茶くみやコピー取りなど何でもやっていたのですが、社長、つまり例の恩師は、企業トップとの面談や銘柄選定会議など、あらゆる場に私を同席させてくれました。今思えば、このことが私の人生を決定づけたのだと思います。

最初は、「毎日上場企業のトップと会い、根ほり葉ほり話を聞く。世の中にはいろんな仕事があるけれど、これは変わった仕事だな」ぐらいの感想でした。しかし恩師の隣で話を聞くうちに、投資に対する考え方や、企業を見る目が自分にできていくのを感じ取ることができました。私が考えていた一般的な投資家と違って、会社の業績や資産などの数字に関してはその場ではあまり聞きません。その代り、経営トップの想いや行動力の強さなど、数字に表せない部分を徹底的に見極めようとするんです。企業を見るというよりも「人間を見る」ために、さまざまな質問を投げかけているようでした。経営者の心にあらゆる角度から小石を投げ入れ、その波紋を読み取るようなイメージでしょうか。そしてその小石の投げ入れ方が的確で、読み取りの精度が恐ろしく鋭いのです。「これはすごい」と感じ、気がつけば、いつの間にか投資の世界に引き込まれていました。ほどなく正社員となり、アナリストとして働くようになったのは自然な流れでした。

04

この旅は、少しの間運用から離れ投資と音楽を等距離に置いて、
今後の進むべき道をじっくり考える良い機会になりました。

音楽への未練を断ち切り、
新たなステージへ

アナリストとしての仕事は面白かったです。のめり込んでいましたからやるべき仕事はいくらでも出てきます。今考えると、この頃の経験が、現在の運用担当者としての基礎になっているのだと思います。
この頃は、まだ、音楽にも未練がありましたが、普段は思考の全てを「投資」が占めるようになり、音楽について考えることがほとんどなくなりました。ある時、休暇を取って一人で旅に出ました。目的地を決めず気の向くままに進む、あてのない旅でした。運用会社に入社して以降は、ずっと、投資のことで頭がいっぱいでしたが、この旅は、少しの間運用から離れ投資と音楽を等距離に置いて、今後の進むべき道をじっくり考える良い機会になりました。
旅をするうちに、やっぱり自分が生涯をかけて取り組むのは、音楽ではなく、投資だという気持ちが固まっていきました。そして、「どうせやるなら、自分の理想の運用ができそうな運用会社に行ってみよう」と考えました。今までとは違う環境で運用がしてみたかったからです。
そして選んだのが、ニッセイアセットマネジメント。日本生命という大きな企業グループの運用会社が持つ豊富な人材やノウハウをフルに活用することで、私がチャレンジしてみたいと考える運用手法が実現できる可能性を強く感じたことを覚えています。

05

「げんせん投信」を選んで良かったと投資家のみなさんに言っていただけるよう、
日々取り組んで参ります。「げんせん投信」にご期待ください。

「見えない資産」を
追求するとして

ニッセイアセットに入社して、東京や日本生命グループのニューヨーク拠点で7年ほどセクターアナリストとして過ごした後、2014年に、これまでの運用担当者としての経験を詰め込んだファンドとして、「げんせん投信」のマザーファンドであるニッセイ国内株式GENSENマザーファンドの運用を始めました。「げんせん投信」はこのマザーファンドを公募投信として商品化したものです。
私は、財務諸表に表れているような「見える資産」ではなく、「見えない資産」にこそ企業の競争力の源泉があると考えています。「見える資産」は、企業の今ある姿ですから、言ってみれば過去の企業の競争力のです。これはこれで重要なのですが、もっと重要なのは、その企業の競争力が今後どうなっていくかということです。これを知るには、企業の競争力の)を見極めないといけません。だから、「見えない」部分に注目するのです。それは、企業文化であったり、顧客基盤であったり、企業統治の実態であったりするのですが、これらは通常、なかなか見えないものです。「げんせん投信」では、これらの「見えない資産」を丹念に評価しながら、銘柄を)して投資をしていきます。そうです、「げんせん」というファンド名には、源泉(げんせん)を厳選(げんせん)するという二重の意味を込めているのです。

見えない資産の見極めは、人の洞察力によってしかできないものです。
数字だけを分析するなら、むしろテクノロジーに任せた方がいいかもしれません。人でしか分析できないものを分析し、テクノロジー以上の付加価値を生み出すのが、私たちファンドマネージャーの存在意義だと考えています。
音楽家を志していたあの頃のように、今も将来も、私の根幹にはであり続けたい、という思いが強くあります。投資の世界での表現とは、良好なパフォーマンスを続ける優れたファンドを作り上げることに他なりません。自分が最良だと思う運用手法で最高のハーモニーを奏で、その結果として「げんせん投信」を選んで良かったと投資家のみなさんに言っていただけるよう、日々取り組んで参ります。「げんせん投信」にご期待ください。よろしくお願いします。

表現者として…

伊藤 琢発案の
げんせん投信の
『ぞう』のコンセプト

げんせん投信のぞうは、伊藤の描いたぞうのイラストをもとにデザインされたものです。ぞうは雷や雨の低周波音が聞こえるようで、この能力により水場を見つけることができるようです。

げんせん投信のぞうは、伊藤の描いたぞうのイラストをもとにデザインされたものです。
ぞうは雷や雨の低周波音が聞こえるようで、この能力により水場を見つけることができるようです。

ニッセイアセットマネジメント株式会社

ファンドマネージャー
伊藤 琢(いとう たく)

1980年群馬県に生まれる。明治大学商学部卒業後、バークリー音楽院に留学し作曲科を専攻。日本に帰国後、アルバイトとして独立系資産運用会社で働き始め、後に正式入社してアナリストとなる。2007年11月ニッセイアセットマネジメント株式会社に入社。
ニューヨーク出向を含めアナリストを7年務めた後、2014年より、「げんせん投信」のマザーファンドであるニッセイ国内株式GENSENマザーファンドの主担当ファンドマネージャーを務めている。